ステルスマーケティングとは、製品やサービスの宣伝を隠れた形で行う手法のことです。
インフルエンサーマーケティングの台頭やソーシャルメディアの普及に伴い、こうした手法が広く使われるようになってきました。
一方で消費者の視点からは、宣伝か否か判断しづらく、トリッキーな印象を受けるケースも少なくありません。
そこで今回は、ステルスマーケティングの規制の経緯とその内容について紹介します。
株式会社リーセンドは神奈川県川崎市麻生区に拠点を置く広告会社です。
ポスティングを中心としたダイレクトマーケティング事業を主軸に、グラフィックデザイン・WEBデザインも展開しています。店舗の内装プロデュースや、広告会社ならではの企画・提案力を強みとした、広告戦略監修事業もご好評いただいております。年間1,000社との取引をしており、またリピート率は90%と多くのお客様にご満足いただいております。
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ステマとは?
ステマ(ステルスマーケティング)とは、
消費者に広告であることを隠して商品やサービスを宣伝する行為のことです。
主な問題点は以下の通りです。
- 消費者を誤認させ、公正な商品選択の機会を奪う
- 景品表示法違反となり、2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性がある
規制の内容
ステルスマーケティングは、
2023年10月1日から景品表示法で規制されるようになりました。
事業者が自社の商品やサービスの取引について行う表示であって、
一般消費者が広告であることを判別することが困難なものがステマとして規制の対象となります。
- 事業者の従業員や子会社の従業員が、会社との関係を隠して商品やサービスの宣伝をする表示
- 事業者が第三者(インフルエンサーなど)に依頼して行わせた表示で、広告であることが不明瞭な表示
- ECサイトの出店事業者がブローカーや購入者に依頼して行わせた、自社商品への好意的な表示
- 広告である旨を示す表記、「広告」「PR」などの大きさや位置が目立たず、消費者が広告だと判別できない表示
- 動画において、非常に短時間のみ事業者の表示である旨を表示するもの
- 一般消費者が事業者の表示である旨を認識できない業界用語、外国語、暗号などを使用した表示
- 事業者の表示である旨を、長文、小さい文字、薄い色、ハッシュタグに紛れ込ませるなど、一般消費者が認識しにくい形で表示するもの
ステマが規制された理由
ステマ規制によって禁止された表示の主な理由は、
消費者の自主的かつ合理的な商品・サービス選択を阻害するおそれがあるためです。
具体的には、以下の点が問題視されています。
- 事業者による広告と第三者によるクチコミを区別できなくなり、消費者が適切な判断ができなくなる恐れがある。
- 事業者の表示であることが不明瞭な場合、消費者は第三者の客観的な意見と誤認してしまう可能性がある。
- 事業者の一方的な情報のみが流通し、消費者が公正な情報に基づいて選択できなくなるリスクがある。
- 競合他社の商品やサービスに対する低い評価の表示も含まれ、公正な競争を阻害する恐れがある。
つまり、ステマ規制は消費者が事業者の広告と第三者の意見を明確に区別できるよう、
事業者の表示を明瞭にすることで、消費者の適切な商品選択を守ろうとしているのです。
事業者は自社の広告表示がステマに該当しないよう注意を払い、
消費者から信頼される広告運用を心がける必要があります。
代表的なステマ事例
これらの事例では、企業や芸能人が自社の製品やサービスを一般の意見と偽って宣伝していたことが問題視されました。
芸能人によるステマ事例
- 2019年、芸能プロダクション「ペニーオークション」に所属する芸能人が、同社の不正な商法を宣伝するブログを書いていた事件。
- 2021年、フジテレビの女性アナウンサー数名が、美容室からの無料サービスの見返りにSNSで宣伝をしていた疑惑。
企業によるステマ事例
- 2006年、ウォルマートがPR会社に依頼し、一般人を装った偽ブログで同社を賛美する投稿を行っていた事件。
- 2007年、ソニーがPSPの宣伝のため、架空の個人ファンサイトを作成していた事件。
- 2013年、サムスンがアカデミー賞の授賞式で自社製品の自撮り写真を大量にリツイートさせる企画を行っていた事件。
- 2019年、吉本興行のお笑いコンビが京都市から報酬を受けながら、SNSでPR表記なく観光地を紹介していた事件。
- 2019年、ウォルト・ディズニー・ジャパンが映画の感想漫画をSNSで投稿させるも、PR表記がなかった事件。
ステマ事例による影響
ステマ事例によって、企業や関係者に以下のような深刻な影響がありました。
企業イメージの失墜
- ステマが発覚すると、消費者から企業の信頼性を疑われ、ブランドイメージが大きく損なわれる。
- 特に芸能人やインフルエンサーを利用したステマでは、消費者から「裏切られた」と強い反発を受ける。
- SNSなどで企業を強く批判する投稿が相次ぎ、企業のイメージ回復が難しくなった。
売上への影響
- ステマ発覚後、不買運動が起きたり既存顧客が離れるなど、売上が大幅に落ち込む可能性がある。
- 長期的には新規顧客の獲得が困難になり、企業の収益基盤が揺らぐリスクもある。
法的リスクの増大
- 2023年10月からステマは景品表示法違反となり、是正措置命令や課徴金納付などのペナルティが科される可能性が出てきた。
- 過去のステマ事例でも、消費者から集団訴訟を起こされるなどの法的リスクがあった。
人材確保の困難化
- ステマ問題で社会的信用を失うと、優秀な人材の確保が難しくなる。
- 特に若年層から敬遠され、将来的な企業成長が阻害される恐れがある。
このように、ステマは消費者から企業への強い不信感を招き、
売上や将来性にも深刻な影響を及ぼす可能性があることがわかります。
企業は適切な広告宣伝を心がけ、ステマに手を染めることのリスクの大きさを認識する必要があります。
景品表示法に触れないためには
ステマ規制に抵触しないためにはどのような点に注意すればいいのでしょうか?
広告表示の明瞭性を確保する
- 「広告」「PR」「スポンサー」などの文言を投稿の冒頭や目立つ位置に明記する
- 動画の場合、常に画面上部にテロップで広告表示を出す
- ハッシュタグに埋もれたり、長文の中に紛れ込ませるような表示は避ける
発信者と企業の関係性を明示する
- 企業から依頼を受けて投稿している場合は、その旨を明確に伝える
- 企業から無償で商品を提供された場合も、感想投稿時に無償提供であることを明記する
社内ルールを整備する
- 従業員のSNS投稿に関するガイドラインを策定し、ステマに抵触しないよう周知徹底する
- 企業の関与の有無に関わらず、投稿内容が問題ないかチェックする体制を整える
第三者の自主的な投稿を活用する
- 企業からの依頼ではなく、第三者の自主的な意思に基づく投稿は規制対象外となる
- ただし、企業の関与が認められれば、自主性は問われない点に注意が必要
以上のように、SNSでの投稿を行う際は、広告性を明確に示し、
発信者と企業の関係性を開示することが重要です。
企業は適切な広告表示を心がけ、ステマに抵触しないよう細心の注意を払う必要があります。
まとめ
企業が製品やサービスの宣伝を隠れた形で行うことは、消費者の判断を歪めかねません。
また、インフルエンサーへの偽装した宣伝依頼なども、透明性が欠けていると指摘せざるを得ません。
マーケティング手法の革新は望ましいものですが、ステルスマーケティングのような手段に頼ることなく、
誠実な宣伝活動を行うことこそが、企業に課された最低限の責務なのです。
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